『一汁一菜でよいという提案』の感想とよかったところ

読書

本の概要

後書きにも少し触れているように、タイトルが伝えたいことそのままになっています。
けれど、その一汁一菜でよいという提案を伝えるが為に、たくさんの観点からのとても興味深い話がなされます。

何より、この本を読むと食事・料理への悩みが減ります。
文庫本1冊で、通勤途中などにもサクッと読み進めることができます。

この本のよいところ

悩みが減る

食事の献立を何にしようかと考えること自体を悩まなくていいこととしてくれる。
ある意味、何を食べるかは楽しみではあるけれど、毎日考えるとちょっと億劫な時もある。

ご飯・味噌汁・お漬物。
中心となる軸が整うことで、安定するのもいいかもしれませんね。

また、そもそも質素な粗食であることに抵抗感がある理由のひとつには、メディアやSNSなどでの自然に刷り込まれる他者との比較があるということに対しては、なるほどと思いました。
素敵で手が込んでいるちょっといい感じになっている写真を見て、比較して、私はズボラだなーって感じてしまう。
あるあるだと思いますが、そもそもそんなことは考えなくていいわけですね。

みそ汁の出来具合と日々の積み重ね

味噌汁の中に入れる具は何でもOK。余った野菜でも、鶏のから揚げでも、何でも入れてしまってよし。だから毎回違うものになる。

この話で思ったのは作品づくりのこと。
制作を日常的に、日々コツコツやっていると、細かいなんかこと言わなくなるのにちょっと似ているかなと感じました。
もちろん、その都度その都度いいものを作ろうと手を入れるわけですが、自分のコンディションがどうであるとか、スランプがどうであるとか、そういうことはもう一切どうでもよくなってくる。
妙な色合いが出たとしても、まぁこれはこれという風な気持ちでいられる。うまくいけばそれを活用もします。
あまり思い悩みすぎずに、着々と進めていくことはできるようになる。そんな感覚ですね。

おわりに

総じて、シンプルながらすごく面白い本でした。
内容は本当にシンプルなものですけれど、読んでいて妙な心地よさもあります。風情があるといいますか。
これはちょっと感覚なので説明が言葉で説明がしにくい部分なのですが、心地よい空気感のある本です。



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