本の概要
「映画を倍速で視聴する」という切り口から、さまざまな角度の理由と映画やメディアの変遷、現代の風潮や考え方に触れている。
詳細な内容は目次を一読してどうぞ。
…と、いうのもまた、「早送り」に該当するのかもしれませんね。
こういった評論は、立場によって意見や交わされる議論、出てくる感想が異なることでしょう。
賛否も含め、自分の持つ目線が見えてくる本かもしれません。
感想
・失敗したくない、わかりやすいものが好まれるようになったのは各所で感じているところ。
・元々、映画自体に以下の風潮があるように感じてます。
・エンタメとしてはものすごく予算がかかっている
・あえて悪感情も呼び起こしていく
・感性豊かになる芸術だからと、尖った表現もしていく
・あえてのわかりにくさがある(崇高さや暗喩のようなもの?)
・映画は良し悪しではなく、好みという点でものすごく差が出るコンテンツだと感じてます。
・そして2時間じっくり映像・音・ストーリーに没入するので、好みじゃないものを観たくない(=時間をかけたくない)気持ちはある。
・トレーラーだけ見るのは趣味としてやってます。
・トレーラーは圧縮した密度がある。
・画面構成・構図の面白さを見つける意味で見ている面がある。
・CMとして面白くなるようにカット編集されていることは承知してます。
(かなり過去の話ですが、それで印象が本編とかなり変わっていて残念に感じた作品があります)
・ショッキング系(ホラー、グロテスクほか)なものを全部観たくないから、あらすじとオチが知りたい時はある。
・もっと言うと、倍速で観る映画は元々期待値が低い場合もある。すごく観たい作品を等速で観ているのであれば、機能を使い分けていることにはなる。初見の楽しみが変えがたいのも事実ですが。
・評論自体が読まれにくくなったというくだりがあったかと思いますが、他者と正しさや意見でぶつかり合う男性的な知性の時代ではなくなってきたかもしれない、とは感じてます。
・そういうので自分の意見(正しさ)を証明して、マウントするのに疲れているといいますか。
・最後の一文に切実なものを感じますが、その思いに痛く共感できるわけでもない。そういう感想です。