NFTについて・今後に期待すること

雑記

今回はNFTというものについて。
詳しい概要を話すというよりは、ちょっと現状を踏まえてのこと。
さまざま意見はあることでしょうが、新しい技術はいい方にも悪い方にも活用できるものだと思います。
今後いいカタチになってくれることを願いつつ、お話していきます。

NFTとは?

NFTとはそもそもなんぞやという話です。
デジタルコンテンツにおいて、唯一性が証明できる技術ができたよということ。
これをブロックチェーン技術といいます。

・デジタルコンテンツでも唯一性が証明できるようになった
・誰が所有者なのがわかるので、デジタルコンテンツでもコレクション価値が出た
・クリエイターに二次収益の発生

この説明には名画の例えがわかりやすいかもしれません。
有名な絵画が売れたとしても、コレクター同士での取引がなされているので、描いた画家にお金が入ってくるわけではない。

けれどNFTで、デジタルコンテンツの「出品者・所有者が誰であるか」が証明されるようになった。
デジタルデータは複製ができます。いくらでも増やせる。
けれど、ブロックチェーン技術により、NFT出品したそのコンテンツは1品ものの証明書があるような状態です。

・誰がそのコンテンツを所有しているかがわかる
・出品者(著作権保持者)が誰かがわかる
・出品時に個数指定ができるので、シリアルナンバーも可能
・取引されると出品者(クリエイター)に収入が入る

制作者本人に利益が生じるようになる件は、
出品時の設定で、例えば5%と設定しておけば、何度コレクター間で取引のやり取りをされていたとしても、クリエイターに5%が入ってくる。
そういう点で、クリエイターにとってもいい面があるわけですね。

このブログを書いてる人はそういったデジタルコンテンツで商売をしたい・コレクターというタイプではないので、制作する側としての目線になります。
少々機会がありまして、NFTを出品する上でのプラットフォームサイトの担当者から説明を伺ったこともあり、そこから感じたことも含めてのひとつの目線になります。

現状の問題点

・バブル
・新規サイト・参入が増えている
・手数料が高い
・仮装通貨取引の延長なのでわかりにくい

この記事を書いている現状、問題点は結構ありますね。
新しく出たばかりの技術なので、今後どうなってくるか分からない部分がある。未知数な部分が非常に多い。

また、有名人にまつわるツイートや、一見らくがきにしか見えないようなイラストが、信じられないような高額で売れた。
そういった前例があるがためにも、このチャンスに乗りたいと、バブルの状態になったわけですね。

それはコンテンツ出品する側だけの話ではなく、NFTのサイト自体もそう。
自分たちがメインのプラットフォームを作り上げていくことによる利益が大きい。
そのため、NFTの取引をする場自体も、いろんなものが出てきているよという状態です。

ガス代(GAS代)手数料が高い

ガス代(GAS代)という手数料がかかる上、結構それが高いという面もあります。

言葉だけ見ると、
「環境?自然環境のことか?火を燃やす時のガスか?デジタルコンテンツなのに?」とよくわからなくなりますが、自然環境に影響の出るものではなくて、取引上の手数料。
ホテルなどのボーイに渡すチップのようなものと想像するとイメージしやすくなるかもしれません。

これら手数料はNFTを取り扱うサイトによって大きく異なります。
そもそも、使う通貨自体が異なります。
最も有名なOpenseaでは「ETH」という仮装通貨が主となりますが、日本円対応のサイトも出はじめています。
通貨がわかりにくいのが参入のハードルのひとつではあるので、通貨の種類は今後使いやすいものが出てくるのではないかなと予想はしています。

ちなみに、いつ手数料が発生するかはサイトによってまちまちですが、
Openseaの場合は「出品時に1回数万円単位(為替レートにより刻々と変動する)」
「取引時に一定割合毎回」発生します。
なので、手数料が高いと呟きたくなるのはどちらかというと取引しているトレーダー側かもしれません。出品する側としては、初回のGAS代は初期投資扱いとなります。

NFT出品における無断転載問題

クリエイター目線で特に困るのは、無断転載などで勝手に出品されている事例があることでしょうか。
それがあるため、クリエイターは特にNFTに対する不信感を持っていたりするのが現状かもしれません。
海外サイトであったりするため、通報がうまく受理されないケースがあるのも困ったところです。

ただ、唯一性を証明する技術の都合、無断転載を行った場合は犯罪履歴が消せない形で残るというのは覚えておいた方がいいとは思います。
特にクリエイターは編集可能なPSD,AIなどのファイルであったり、原寸サイズのデータを所持していることが大半です。
画像にサインのある・なしに関係なく、足がつくことになりますので、非常に自業自得であるということになります。

日本版のNFTプラットフォームサイト

・何かと手数料が高い
・まだはじめたてでルールが整備されてない
・日本円対応のところがあるのはわかりやすい

現在日本でも様々なNFTのプラットフォームが増えている時期です。
主流となるプラットフォームになることができれば、利益は莫大なものになるので、我先にと頑張っているわけですね。
それはまぁすごくわかるところです。

そのため、今はまだ整備が色々とされていない、これからな時期だということですね。
海外のNFT取引可能なサイトに比べて、日本のサイトの方が手数料がお高い傾向でした。

また、制作側として出品する上での説明を伺った話になりますが…。
正直担当者もあまり多く説明できるほど知識がない…というより、今後どう転ぶかわからないという雰囲気でした。
クリエイター、コンテンツホルダーそれぞれにとっていい未来、ビジョンが知りたかった気持ちがちょっとあったのですが、これはこちらが先を考えすぎなのかもしれません。
利用規約に記載のある手数料から実際には更に盛っていたのは、素直に稼ぎたさが見えてるところですね。

クリエイターに来るNFT案件について

クラウドソーシングサイトにて、イラストや音楽などのWebコンテンツを作れるフリーランスの人向けに、NFTの案件が散見されます。
やや高めの価格帯になっているのは、収入になれば大きいというところでそのような価格帯になっているのでしょう。

ただクリエイターとしては……もしNFTに対して興味があり、Web上でアートを販売する方向性がマッチするのであれば、その時は是非、誰かに売ってもらうような形ではなく、自分で調べて行った方がよいと思います。

誰かの依頼という形で制作し、売るような形になると、著作権を譲渡する形になることが多いでしょう。
一時的な制作料はそこそこいただけたとして、NFTの性質を思えばちょっともったいないと感じます。

また、DMやメール、コメントなどから直接NFT案件のメッセージが来ることもあるかもしれません。
絵の展示会のお誘いメールなどでもそうですが、慣れてない方にとっては知らせが来るとドキッとしたりするものです。
ですが、その案件が「稼げる以外のメリット・ビジョンがない」「誰でもいい」ようであればあまりオススメはできないかもしれません。
クリエイターが自分の作品を発表し出品するという選択肢があることも踏まえてです。

その著作権譲渡必要でしたか?っていうのが多い

制作者と依頼主が契約上の、著作権譲渡に関して少し。
NFT関連の案件では、ほぼ確実に著作権譲渡になるとは思います。

ただ、制作の仕事において、その著作権譲渡は本当に必要でしたか?という内容が結構あります。
要求してくる企業側も、特に深い理由があるわけでもなく、トラブル回避の意味でもそのように風にしていることだってある。

正直言えば、利用権の範囲で問題なく、著作権まで譲渡しなくても十分な場合があるわけですね。
著作権譲渡による、クリエイター側の発表などの不自由さなどデメリットは実はかなり多いです。
何より、制作料と権利関連の譲渡のための金額は別です。
そこはきっちり意識して、お互い納得のいく形にして、必要であれば請求していく方がイラストレーターさんをはじめとした制作の方は良いのではないかなと思います。

今後に期待したいこと

NFT、ひいてはブロックチェーン技術そのものに対してちょっと期待したいことについて。

・クリエイターにとっていい技術になり得る?
・唯一性の証明が違法コピー対策にならないかなという期待
・著作権と利用権のルールがわかりやすくなるかも?
・クリエイターを直接応援できる?
・価値観:もう所有欲の時代でもない気がする

現状のバブル云々はともかく、技術としてはなかなか面白いものがあります。
今までクリエイターに直接お金が入らなかったところが入るようになったことも、ひとつとても大きいところです。
今後、うまく何かよい方にこの技術が使われればいいなと願っているところであります。

今は投資家・コレクター向きということで、NFT販売市場は動いている面が大きいと思うのですが…。
ただ、もう物品を所持し、執着する時代でもなくなってきたという点では、時代に反しているようにも感じます。
そう考えた時に、所有するだけだとその作品の純粋なファンならともかく、デジタルのコンテンツでしかない。年々価値の高まるブランド品や貴金属などとは話が違います。ここもバブルでリスクのあるところです。
購入する側として思うに、コレクションや所有という理由だけだとちょっと弱いのかもしれない。

そう考えた時に、1案としては利用も含めたルールのあるプラットフォームもいいのかもしれないと考えます。
例えば、ストックのような素材が素材配布サイトがありますが、誰が購入したかがわかれば、1点ものの作品を出品して、そのまま利用契約に紐づけることができるだろうかと。

所有という点では、利用とは関係なく、その作品を購入する事によってクリエイターを直接応援することができるというのはメリットのひとつではあります。
自分の好きな絵師さん、楽曲、動画制作者などのアーティストの作品を持つことができるのも、純粋にいいところなのかもしれません。

誰が現在所有者なのか、またそのデジタルコンテンツの唯一性を証明できるという点からは違法コピーなどの対策になれる可能性というのもあります。
逆に今は無断転載で他人の制作物に勝手に出品する事例もあるようですが、むしろ明確な犯罪履歴が残ってしまうという点では目がくらんで非常にリスクの高いことをしているなと思うわけですね。

日本では主流のコミッションサイトで、Twitterと連携したSkebなどのサービスがあります。
今後、そのようなクリエイター目線のNFTプラットフォームサイトが出てくるのがいいのではないかなというのはすごく思いますね。
Skebなどはできるだけ手数料を抑えつつ、あまりガツガツ儲けようとは感じさせないような運営をしているので、ゆくゆくはそういうところが主流になるのが望ましいなと感じるわけですね。

おわりに

今はそのまま儲けたい投資家目線のものが多く、当たればリターンは大きいけれど、もうとりあえず何でも売れるような状態でもなくなっている。
現状では、NFTにまつわる状況はまだまだカオスな時代かなと言ったところです。
ブロックチェーン技術の仕組みそのものにはよい可能性もあると考えていますので、より健全な形になっていくのが望ましいという願いも込めての記事でした。

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